ちびらぼ

ライターのたまご・日野やや子の自由研究なまいにち。

Plastic Tree「インク」

(宇宙人かな。なめこかな。)

 

12月12日にリリースされたPlastic Treeの12thアルバム「インク」。

ジャケットのアートワークは、タイトルと収録曲にちなんだロールシャッハです。

ロールシャッハといえば、インクを落とした紙を2つ折りにしてできた図を見せて、

なにに見えるかと問う性格検査ですが、

なんてPlastic Treeらしいチョイスだろう、と思わずにいられません。

 

それは、有村氏のココロの井戸の奥底からやってきた歌詞だったり、

いい意味で直球とは言いがたい、バラエティー豊かな楽曲だったりに、

まいどまいど、人間というものの奥深さ、曖昧さ、おもしろさを

見せつけられて(聴かしつけられて?)いるからです。

 

「Plastic Treeって、ヴィジュアル系でしょ?」

って、知ってるひとは知ってるのだけど、

なかなか聴いたことないひとが多いのです。

なんてもったいない!

 

一般的にみなさんが抱いているだろうと思われるV系のイメージとはちがって、

あんまり華やかではないし、声もふわーんとして、

MCもゆるーい感じのバンドなんですが、

7分以上の長尺で下向いてギターかき鳴らしてインストとかやっちゃう、

シューゲイザーなヴィジュアルバンドってなかなかないでしょ?(笑)

 

ライブはやっぱり女の子が多いけど、

UKロックとか好きな男子は「おっ」てなると思いますよ。

 

わたしは1994年、高校生の頃にプラに出会いまして、

部活の出席日数よりライブのほうが多かったんじゃないか、

みたいな、夢のような3年間を過ごしたのですが、

その頃からプラのライブには、

いろんなひとが思い思いに楽しめる空気がありました。

 

なんか跳びはねてるひともいるし、

なんか頭振ってるひともいるし、

なんか身じろぎもしないひともいるし、

なんか不思議な踊りしてるひともいるし。

 

なんだかバンドそのものがロールシャッハ図のようでした。

 

こじつけたねぇ。

 

今年はメジャーデビュー15周年のアニバーサリーイヤーということもあって、

デビューアルバム「Hide and Seek」のリビルド版が同梱されている

バージョンもリリースされていますが、2枚をとおして聴くと、

「ああ、三つ子の魂なんとやらだねぇ」

なんて、有村氏の発言が腑に落ちます。

 

もちろん、15年の間に楽曲のバリエーションはいろいろな角度に広がったし、

こんなことまで?って挑戦もたくさんしてきた彼らだけど、

根っこの部分はこんな形なんだなぁ、と思わされるような。

「インク」の曲たちは、決して、おなじみのことばかりじゃないはずなのに、

ずっと一緒にいたような感じがして、逆に戸惑ったりもしました。

 

わたしは特に、

ドラムンベースが印象的で流麗な「ピアノブラック」、

フォークとオルタナとミクスチャーが

素敵にエモーショナルに融合した「ライフ・イズ・ビューティフル」、

心の琴線にぐいぐい来るインストゥルメンタル「96小節、長き不在。」

この3曲がだいすきです。

 

youtubeで「ピアノブラック」聴けます。

ぜひぜひ聴いてみてー

 


Plastic Tree/ピアノブラック 【MUSIC VIDEO】